伝説のキャバクラ嬢 (dansetsu no kyabakura jou)

こんや
てんきはあめ
あんたのいないへやに
たばこのかおりとすこしつよめのこうすいだけかおった

もうあたし なにもいらなかった
あんたがいてくれたら

おもいではきょうもあたしのめをおおいかくしてく

あんたをいかすためだけの日々は
しんじゅくのよるにまみれてた
いろめをおぼえ
おせじをまなんで
おさけいじょうのよいをそそいで

それはいちねんめのなつ
ちょうとよばれはじめた

よるのはなにあいされて
あたしはまった

ねえだけどなにもいらなかった
あんたのほかには

あたしがのぞんだはなはきっと
あんただけだから

あんたをいかしはじめて五年目
あたしのはねはいろをました
うでをからませ
ほほをちかづけて
ただそれだけでたかねのはな

あんたがしらないあたしは
おとこをたぶらかすあくじょ
でもね
あんたのために
えんじてみせたの

ねえだけどほんとうはなきたかった
あんたいがいには
かっこいいやすきやあいしてるを
いいたくなかった

ねえきいて
なにをうしなっても
あんたがすきだから
あんたのといきや
そのかおりをまもりたかった

じゅうねんめ
しらぬうちにあんたをむしばんだのは
どれだけおかねをかきあつめても
なおせないもの

ねえあたし なにもいらなかった
あんたのねいき ぬすんでいきていくひびがすべてだった
それだけでよかった

こんや
てんきはあめ
にじゅうねんめ
あのひとおなじね

きいて
あんたのことがまだすきだよ

おまたせ
さあそろそろ営業時間だ
おんなのこはかわいい子ばかり
そう！ここはあの伝説のキャバ嬢がいた超名店だ
チャームの準備をおこたるな
おとくいさんにはつけまわしだ
つめしぼ、ちゃんとよういしとけ
よおし
じゃあ声を揃えて
いらっしゃいませー