天灯 (tentou)

生声が上がったその日から僕らみな一様に
仰向けに転んで空を仰いでいたっけ
君の目に映った肖像の色が深まるほど
通のいていく君をずっと見ていた

夢に描き続けていたものが
灰になって消えるとしても
それでも君は進んで行け
祈っているよ

赤く赤く歪に燃えている
胸の奥底で小さく揺れ動く火が
空を描いた少年は憧れのままに羽ばたいた
数え切れない傷と共に

生声が上がったその日から僕らの頭上に
高く青くそびえるような大空があった
君の目に映った肖像の色を濁すように
空を遮る雲はいくつ流れたろう

夢に描き続けていたものが
あの月のように逃げるとしても
満天の空の星が君を照らしてきたんだ

黒く深い闇を飛んでいく
風の吹く方へただ進み続けている
誰の願いも追っていない
ただ彼のために羽ばたいた
傷の痛みも忘れていた

棚引く夢がはぐれないよう
繋いでいた心を向かい風が襲って

君はそれでも笑った
いつもそのままでいい
どこまでも飛べますように

赤く赤く歪に燃えている
胸の奥底で小さく揺れ動く火が
空を描いた少年は、憧れのままに羽ばたいた
数え切れない傷と共に