かぜのなかできみがないてる
ふりむけばもうきこえなくなる
うつつなのかまぼろしなのか
ゆがんだときをぼくはさまよう
どこへいったのあのころのけしき
こもれびのさすせせらぎであそんでた
ふたりのこえはもりにとじこめられて
なつのむこうにかくれてる
とおざかるきみのよびごえ
やまないかぜのすきまをふきぬけて
みえないかげきみをさがして
ぼくはやみのなかへしずんでく
くらいもりのおくで
きみがわらっている
あかいつきがせかいのはてをてらしたよる
うまれたふたり
おもいでさえもたずにいても
きみのひとみはまぶしくみえたのに
ぼくらはおなじときのなかにいて
そばにいてさえめぐりあえずにいた
がれきのもりにのこったはなをちらして
くろいなみだのあめがふる
なきさけぶぼくのうたごえ
かぜのねがいをかなえるそのために
きみだけがぼくのこころに
なげきとかなしみをとりもどす
とおざかるきみのよびごえ
めぐるきおくのらせんにきえてゆく
みえないかげきみをさがして
ぼくはやみのなかへしずんでく
くらいもりのおくで
きみがわらっている