Another

くろいけむりはく こどうと
ぼんやりきえてく ひかり
つたえきれない おもいで
いきもできない

さめためですれちがってく
ひとのむれ なにのぞんで
どこにむかっていくのか

おいつめるよに まばたきもせず
えらぶことさえ ゆるされぬように

ゆめもみずいき
なにもきこえず
よろこびさえも
かんじずにいた
わたしたちは

いくつものまどの あかりが
ひとつずつきえてゆくよに
とざされたかべのなかでは
のこされたいのち

みつからないまま じかんの
さびたくさりで つながれた
こころをじっとみつめて

めぐらせたおもい みとさぬように
かきうつしてく いまみたまま

しんじつさえも
みうしなうなら
このままずっと
たましいささげ
いのるように

このよにいきて
どんなふうにして
わたしであるか
みつけられたら
うまれかわる