つきにはねをそめた
うぐいすがまいおり
かぐわしきうれいのゆりへと
といかける
なぜあなたは
よごと花をぬらして
うつくしいよいを
ただないてすごすの
それはこいしいひとが
むすめをだくから
やさしくふれたゆびが
わすれられずに
かれるだけのこのみが
あわれでかなしい
あのひとのむねのなか
かおれるならば
ひとよのいのちもおしまぬのに
ゆりはこたえあまくふるえる
もりのこけのしとね
さまようのはむすめ
はずえのあわいから
うぐいすはたずねる
なぜあなたは
ひとりくらいこみちを
いばらにちをながし
まよいこんだの
それはこいしいひとが
さっていったから
うつろいかわるものは
ときだけじゃなく
ひとのあいとこころと
しってしまったの
いとしいうでのなかに
もどれぬならば
もうゆめのかけらもみえぬでしょう
ながいかみにうすやみがちる
やがてむすめは
くちたゆりのねもとに
たおれてそのまぶたを
とじてうごかない
みだれるようにはく
はなのそこから
おうごんのかふんがふりそそぐ
うつろいゆらぐものが
はかないのなら
きよらかなままのぼる
たましいはどこへ
しろいぼうようのうえで
さえずるとりは
てんしのつばさにあこがれて
ひとばんじゅう
はばたきました