はちじゅうはちのばめんのなかに
ちらばったおとかきあつめたて
ことばにならないおもいならべた
ごせんぷのうえおいこしたひび
こうさしていくさんどをかさねここにはびかせて
うたうようにまっすぐに
うたのうえをのびていく
ほかにはなにもできない
ときのすべてあずけながら
じゆうにときはなたれた
すなおにかけめぐるゆび
おわりなきクレッシェンドはふかく
だれかのもとへむかう
めのまえにひらかれたせかい
くりかえすあたらしいプルリュード
はちじゅうはちのゆめものがたり、おとしたきゅうふ、かわるハーモニー
しずかにそっとととのえたいき
あるべきかたちとりもどすまで
かきけされるさんどをかさねここにはびかせて
うたうたびにしんじていた
うたのそばをはずれていく
インテンポでつまずいて
もつれていく即興のなかへ
ひきかえすみちがきえる
うごかされるなみがちかく
うしなったこえのメロディ
だれかのもとへむかう
めのまえをとざしていくとびらかなしみは
つみあげられたエチュード
いしきもなくとがらせて
つかんだかたふりきった
いつまでもわすれないで
うたうごとくこころのまま
うたうようにまっすぐに
うたのうえをのびていく
おわりなきクレッシェンドはふかく
だれかのもとへむかう
ステージのはしのピアニストへ
いきることこんなうたのすべて
いまこのめのまえにひらかれたせかい
くりかえすあたらしいプルリュード