Ijin no Yoru

かためのくろねこがゆく　どこからきたのだろう
やみよをよこぎってゆく　どこへゆくのだろう
そのときだれかがないた　だれにもしられずに
いじんにてをひかれていた　あかいくつをはき

なつがゆく　はなびらまきちらしゆく
あざやかに　まいちるまっかなそらへ

あしたがあるとするなら　きれいなそらがいい
やみよがそっとつぶやく　もうかえれないよ

つきがゆく　まつげがふるわせてゆく
ふりそそぐ　こはくにびっしょりぬれた

しかまれていたわな　はじめからわな
なきつかれてねむる　そしてだれもいなくなる

あいされたいんだ　だきしめてほしい
なつかしいそのこえ　ぼくのなまえよんでくれ
なりふりかまわず　わめきつづける
なきつかれてねむる　そしてだれもいなくなる

あなたはだれ、ねえだれなの
わたしはだれ、ねえだれなの